垂直落下式サミング

スランバー・パーティー大虐殺の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

4.5
抜けるスプラッター。
80年代の安っぽい映画に出てくる女性が好きだ。このあたりのキャスティングは、女の趣味がいいと思う。一見スラッとしているけど付くとこついてて、頼んだら一発やらせてくれそうなギャルとかも多くて、要するにエロいのである。
最初の惨殺シーンで、すでにエロいんだよな。ケツをガン見され、ナンパされたあと、異常者に車に引きずり込まれて、組み伏されドリルで惨殺。電動ドリル。つまりは男根。古代の戦いでは槍であり、中世の騎士物語や日本の時代劇においては剣や刀であり、西部劇では拳銃がその役割だったのが、現代劇ではドリルである。男性の男性性が行き場を失った近代においては、腕力や精神性を必要としない工作機械が、いわゆる象徴化されていくわけです。
いい感じのアメリカンハイスクール。バスケのシーンがかっこいいんだぜ!カメラが回り込んだり、カメラの高さがケツの位置に落ちていくのが、卑猥で大胆。
男どもがゲヒゲヒ好きなノーブラ試合のあとは、男子禁制シャワールームでの自然なガールズトーク(本当に自然なのかは分からないけれど。)が中心になって物語が盛り上がっていくから、乳みせ映画にしては、平等な感覚で撮られているんじゃないかなって。
そのあと、誰もいない消灯後のシャワールームが惨劇の舞台になっちゃうから、ジェンダーもクソもないっすけどね。エロっちゃってる時点で、もう…ね。殺人鬼が、本来だったら入れない場所に入っていって、女の子に忍び寄って蹂躙する。うん、はい、エロい。女の子の世界を窓ガラス越しから覗いているような下卑たエロり消費っすわ。
お気に入りは、後ろから女の子にちょっかいかけたボンクラが、アスファルトに背負い投げされるシーン。あの体格差なのに女の子のほうが強いのいいよね。
この時代の流行りなのか、音楽を盛り上げてお化けが出る!出る!とみせかけて、「なんだ猫か…。」は、ある種の様式美。