ユウジ

SCOOP!のユウジのレビュー・感想・評価

SCOOP!(2016年製作の映画)
3.5
すごいアダルティな映画。
ポスターとキャストに惹かれて見たので全然期待していなかったが、面白かった。
ラブシーンが苦手な自分には冒頭から喘ぎ声なこの作品は向いてない映画の部類ではあったけど、面白かった。

メディア側からしたら悪であるパパラッチにフォーカスした作品。
今や情報操作や記者会見の態度などの行動があまりにも目に余るため『マスゴミ』と称されるほど、メディアからも世間からも嫌われ者である仕事の彼等をフィーチャーしている作品なのに、美化してるなとは思わなかった。
多少誇張した表現がなされているはずなのに、現実の彼等が酷いからかノンフィクションとすら思えるものだった。そのせいで変にリンクしちゃって集中できない所があった。

まず、福山雅治のビジュアルが良き。
階段で普通の奴に戻れと上司に言われた時の顔と台詞全てよかった。やりすぎな程の下品さがキツかったが、後半ではカメラしかない男の苦悩とプロの意地で完全に心打たれた。
下ネタで泣く事になるとは思ってなかった(笑)


リリー・フランキーさんに脱帽。
役者としての説得力が凄い。
あの怪演さの生々しさや後半30分の緊張感は彼だからこそだと思う。

濡れ場の必要性を感じなかった。
静と定子の賭けという伏線から「負けたと伝えてくれ」と1万渡すだけで、関係を持ったか否かの表現としては完了していると思うので、下着をつけながら事を致す位ならば、無くても良かったのではないかなぁと。
ただ、成人誌ばりに性欲にまみれた静とその周りの奴らが、男同士の方が笑顔を見せ気を使いあう事に対して「友情・信頼・絆」のような少年誌といわんばかりの男臭さがあって別の面白さがあった。

野火の成長物語として見たら弱かったが、色んな人の物語が交錯してる作品だった為、そこまで気にならなかった。

就職の壁に衝突した自分には、静の夢語るシーンと「何かになってる自分を見てた」の言葉の重さがすごかった。

現実味はないし途中でオチは読めるけど、それでもキレイにまとめられてたし、チャラ源さんとの過去(借り)や定子や馬場ちゃんとの過去など深く語られてない部分が考察のしがいがあって良いと思いました。
面白かった。
ユウジ

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