次々とスクープをモノにしていく前半は非常に爽快感があり、そこはかとなくスパイアクションモノを連想させて燃える。えっ！ と驚くようなカーアクションも挿入され、とにかく丁寧に娯楽作を作ろうという本気を感じた。
ただその丁寧過ぎる部分が物語にも影響していて、特に中盤からは前半に蒔いた物語の要素を回収することに終始してしまい、急激に話の進む力が落ちていってしまったのが残念。また、1つ1つのエピソードに爽快感はあるもののそれだけで完結していて、その後の影響やら問題があまり描かれていないのも少し気になった。
とはいえ着地は見事だとは思うし全体的には楽しめる。
スクープを撮る為に夜の街を奔走し続けた男のドラマ、そして若い世代の成長物語として良い1作。
あと役者の顔、特にSCOOP編集部の面々がみんな個性的で素敵。それにも注目。ただリリー・フランキーの熱演は正直『凶悪』の方が印象的。
