中村明日美子さんの原作の世界観そのままにとても丁寧に描かれている。美しい画、余白、柔らかな色彩、繊細な仕草、どこをとっても非の打ちどころがない。
最初にふたりが言葉を交わすシーンで、印象的に映される佐条くんの手や首筋にドキッとして、最中にキュン死してしまうのでは…と一抹の不安がよぎった。ふたりの恋を観ているだけで、わたしが気恥ずかしさで爆発しそうになる。(ピュアな恋愛を観る耐性がない)顔が熱くなったかと思えば、涙がすーっと流れたり、ほろ苦い気持ちになったり。ささやかだけれど、目まぐるしく気持ちが揺れた。それくらい甘酸っぱくて、切なくて、幸せで、初恋の素晴らしさに溢れていて。不規則にはじけるソーダ水のように、ずっときらきらと眩しかった。
わたしがこのふたりの恋を守りたい、そんな謎の使命感が湧くほど、綺麗なお話です。BLだから、と線を引かずにたくさんの人に見てもらいたい。
