わたべ

同級生のわたべのレビュー・感想・評価

同級生(2015年製作の映画)
4.0
おじさんなのでBLものはほとんどノータッチのまま生きてきたけれど、いわゆる「同性愛もの」のような社会や周辺からの偏見や摩擦、または自身の性への葛藤があまりなくてハナから「そういうもの」としてるのは良いと思う。なのでガワを置いておけば恋愛もの、青春ものとして普遍性があるように思う。この作品の特性なのかBLというジャンルにおける傾向なのかは知らないけれど。

やわらかいタッチや淡い色づかいの画面がとても官能的で観るも楽しく、しかもシネスコサイズなんで目が余計に嬉しい。
でも自分的にはさりげなくフィットする(さりげなすぎて忘れそうだ)劇伴、効果音、声の演技、そして音響といった音回りがとても気に入った。もともと音楽をとおして通じあったふたりを描く物語なので音にこだわるのは作品として当然だと思う。

劇中は水にまつわるもの(噴水、雨、ペットボトル、温泉、あとビールもだろう)がシンボルとして多用されてる。再見するときにはそれらがそれぞれどういう形で出てくるか考えてみてもいいかもしれない。
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