木蘭

大地を受け継ぐの木蘭のレビュー・感想・評価

大地を受け継ぐ(2015年製作の映画)
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2021/3/13 @ポレポレ東中野

5年前の映画のはずなのに、いま、目の前で語られているように感じた。それが意味することに身体の力がぬけてしまった。今まだ多くの人に観られるべき一本です。

ニュースで知る大きな話題ではなく、個人や日常単位の被害について。はじめて知ることも多かった。そのどれもがショックだった。
樽川さんの手は土に染まった「農家の手」で、とても印象的。農業をやる人間は土と生きる覚悟を決めている。
その土はいまだ汚染されたまま。

それと母・美津代さんの「わかるよ、わかるよ」「よいでなくても(辛くても)生きなきゃならない」があたまから離れない。

東京から学生が被災者に話を聞きに行く、という構成。学生たちは(そして私たち観客は)聞くことを通して事実を了知し、それぞれに何かを感じる。
果たしてその先に、どう繋がるのか。どう繋げられるのか。
10年経つ。まだ、なにも変わっていない。


ドキュメンタリー映画として非常に強度の強い作品でした。
尺の大半を占めた樽川さん親子の語りの映像はものすごく説得力を感じたし、またこれは映画館で観ることでより効果のある体験になるなと。
もう少し上映館が増えて、より多くの人に観られるべき。

数年後には「過去の作品だ」と思いたいです。
木蘭

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