浅野公喜

アメリカン・ゴシックの浅野公喜のレビュー・感想・評価

アメリカン・ゴシック(1986年製作の映画)
3.6
子供を亡くした女性が夫や仲間達と飛行機に乗るとある島に不時着、そこには古典的(=アーミッシュ風?)な生活をする老夫婦が住んでいて・・というサスペンスホラー。

主人公を除いた仲間達が老夫婦の家で迷惑を顧みず羽目を外す為一人一人が殺されるのは痛快ですが、海辺の崖に設置したブランコから落とす以外は殺し方と描写は割と淡泊でもっと酷く痛めつけ長く描いて欲しかったです。終盤の展開は意外と言えば意外ですが子供を亡くした設定というのがあからさまな伏線となっておりそこまでインパクトは無かったかもしれません。ただ、子供おじさん・おばさん然とした老夫婦の子供達(+赤ん坊)の存在感は強く、彼らを演じる役者の方々の狂気の演技は一見の価値有り。

モラルの無い人間達が罰と言わんばかりに痛い目に遭うのはホラーによく有る図式ですが、今作はそれをアメリカにおける保守派(=老人)とリベラル派(=若者)の対立構造として分かり易く落とし込んでいる・・というのは言い過ぎ&勘違いでしょうか。教養の有る人の意見が聴いてみたい所。
浅野公喜

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