リッキースティムボート

イップ・マン 継承のリッキースティムボートのレビュー・感想・評価

イップ・マン 継承(2015年製作の映画)
4.5
地上げ屋だ! タイソンだ! と思ったら夫婦愛に号泣……。

詠春拳の達人にしてブルース・リーの師でもあるイップ・マンをドニー・イェンが演じた人気シリーズ第3弾。

今回のポイントはもちろん、不動産王フランクを演じるマイク・タイソンが敵役だということ。ドニー対タイソンのドリーム・マッチが実現……まあ、タイソンもスーパースターですから、結果は3分1本勝負のエキシビション・マッチ的なもの。でも前作よりちゃんと異種格闘技していて大満足。詠春拳とボクシング、どちらが最速の拳か! そうそう、こういうのが観たかったんだよ!

というのが物語の中盤までで、ここからはマックス・チャン演じる、同じ詠春拳を操るチョンとイップ・マンとの戦いがクライマックスに据えられるのですが、それ以上にフィーチャーされているのが、イップ・マンとその妻・ウィンシンとの夫婦愛なんです。

このシリーズの魅力はドニー・イェンのカンフー・アクションであるのは間違いないのですが、僕は妻や子らに見せるドニーの笑顔が好きなんです。そして時折家庭を疎かにして妻から怒られ、ションボリするドニーの人間味あふれるところが好きなんです。そんななか最後にウィンシンから「戦って」と言われるんですよ。そしてウィンシンの前で、木人椿に手を合わせるんです。今まで見た木人椿シーンでもっとも悲しい、もうここ号泣ポイント。

とにかく全編に渡って格闘シーンが満点なのは言うまでもないですが、それ以上にイップ・マンとウィンシンの仲睦まじさにウットリしつつ泣ける一作です。リン・ホン、素敵な役者さんですね。

余談ですが、ウィンシンのためにイップ・マンがブルース・リーにダンスを教わるシーンがありますが、それがリーお得意のチャチャチャだというのもニヤリとしましたよ。