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エジプト人のaaaakikoのレビュー・感想・評価

エジプト人(1954年製作の映画)
4.0
すごいタイトルだな…と笑ったけど、見終わるとなるほど適切なタイトル…と思わないでもなかったです。
紀元前13世紀、一人のエジプト人医師の生涯。

主役がエドマンド・パードムというあまり有名ではない俳優なのは、某俳優がリハーサル段階でドタキャンし、それの代役だったからです(よく見ればジャケ写にもいない)。
でもわたしはパードムの派手でなく実直そうな感じがこの主人公にぴったりだったと思います。
そして彼と正反対なのが親友役のギラギラ男前ヴィクター・マチュア。こないだ見た『聖衣』ではギリシャ人奴隷の役をやっていたけどやっぱりこういうパワフルな野心家の役が似合いますねえ。
ピーター・ユスティヌフが演じていた、片目の召使が一人コメディ的な役割で楽しかったです。
ネフィル役のベラ・ダーヴィがフィルマのキャスト欄に載ってないのはなぜ?

しかしこの映画で素晴らしいのやはりジーン・シモンズ(女優)。
ジーンは主人公シヌヘをかげで慕う酒場の女の子。シヌヘは彼女みたいな子と一緒になれば幸せになるのに、美人娼婦ネフィルにすっかり入れ込んでしまうのです。
ていうかシヌヘが娼婦に貢いで金を失うくだり超ダルかった(笑)全財産や家だけならまだしも両親が買ったお墓まで…まるで銀座のチーママに巻き上げられる童貞、みたいなことを延々とやってんだもん。
ネフィルもそこまでしてもらったんだから筆下ろしぐらいしてあげれば良いのに。
結局、けなげな酒場の女の子メリトちゃん(ジーン)が売られた両親の家を買い戻してそこに住んでてくれたんだけど、これメリトちゃんみたいな可愛い子がやってるからありがたがられるけど軽いストーカーだよな…。

無神論者のシヌヘ、神を信じ人を殺してはいけないと説く国王アクナートン、野心家で好戦的な司令官ホムレヘブ3人が乾杯します。
人殺しが嫌いな者は国王にはなれないのです。
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