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ミッション:インポッシブル/フォールアウトのRのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2018年のアメリカの作品。

監督は「アウトロー」のクリストファー・マッカリー。

あらすじ

ソロモン・レーン(ショーン・ハリス「ザ ・ストレンジャー:見知らぬ男」)の逮捕から2年後、リーダー不在のシンジケートの残党は謎の男「ジョン・ラーク」のもと「アポストル(神の使徒)」と呼ばれるグループを結成していた。IMFのエージェント、イーサン・ハント(トム・クルーズ「トップガン マーヴェリック」)は仲間たちと共に盗まれた3つのプルトニウムをアポストルの手に落ちる前にギャングから購入しようとするが、何者かにプルトニウムは奪われてしまう。プルトニウムを取り戻すため、イーサンはCIAの敏腕エージェント、オーガスト・ウォーカー(ヘンリー・カヴィル「エノーラ・ホームズの事件簿2」)と共に多くの障壁に阻まれながらも奔走する!!

来週公開の最新作「デッド・レコニング PART1」の公開前に再履修として4から見返していて、今回はシリーズ6作目である本作!!

監督はシリーズでは初の監督続投であるクリストファー・マッカリー。

トムとは「ワルキューレ」の脚本から始まり、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」、「ザ ・マミー」、そして大傑作「マーヴェリック」の脚本、そして自身の監督作では「アウトロー」でタッグを組むなどトムの信頼も非常に厚い監督さんである。

そんな最強のタッグで贈る本作、監督も続投ということで、それまでのシリーズ以上に前作の「続編」の趣が強い作風となっている。

戦いの後、拘束された前作の悪役で「シンジケート」のリーダー、ソロモン・レーンを中盤では輸送する任務にあたるんだけど、それ以降もちょい役で終わるのではなく、悪役側のサブキャラクターとしてしっかりお話に絡んでいくので、シリーズをちゃんと観ていない人には前作観とくくらいはした方がいいかも。

また、今回は正確には悪役?と呼べるかは微妙なキャラクターだけど、魅力的な女性キャラクターとして登場するのが、ヴァネッサ・カービー(「The Sun/息子」)演じるホワイト・ウィドゥ。表の顔は慈善事業家だが、裏では武器の密輸と資金洗浄で金を稼ぐ、若くして裏社会の大物というキャラクターなんだけど、もちろんMCUのアベンジャーズ、ブラック・ウィドウとはなんの関連性もなし。ただ、見目麗しいカービー嬢の見た目と「ホワイトウィドウ(白蜘蛛)」の通り名のように真っ白なゴージャスドレスに身を包み、華麗なナイフ捌きで敵を斬りつける様は実に魅力的。見た目はキュートなのに、感情を全く表に出さないサイコな感じも裏社会の大物らしくドスが効いていて良かった。ちなみに、どうやら予告では次作でも登場しているらしく、そこでの活躍も非常に楽しみ。

また、「序盤は」イーサンと共に行動するFBIのエージェント、オーガスト・ウォーカーを演じるのは、あのDCEUで長年「スーパーマン」を演じていたヘンリー・カヴィルが遂にシリーズに参戦!!初めてその情報を知った時は、えっ!!あのヘンリー・カヴィルがトムと共演すんの!?とすごい驚いたわけだが、確かにカヴィルといえば、スーパーマン俳優らしく、端正な顔立ちがまず印象で挙がってくるが、それ以上に図体がどでかいんだよな。だからこそ、中盤でのクラブのシーン、男性トイレで、今作の悪役「ジョン・ラーク」「らしき」人物と突如勃発する乱闘アクションでは、真っ白でクリーンな空間ということもあり、その「デカさ」が浮き彫りになってのパワープレイを披露。敵に向かって強固な拳で連続ジャブを繰り出したと思ったら、敵をぶん投げてトイレの鏡を粉々に割るなど「敵にしたらやばそー」感が満載。

あと、今作では、前作までイーサンの仲間として連続登板していたブラントを演じたジェレミー・レナーがどうやら「エンド・ゲーム」で忙しくて今作に出れなかったこともあり、そういう意味でも同じ「ヒーロー俳優」繋がりで「ブラント枠」で動かしたい思惑もちょっとあったのかも…なんて邪推。

ただ、まぁここでネタバレしてしまうと、中盤、実は彼こそが「アポストル」のリーダー、ジョン・ラークであることが発覚。まぁ、ここに関しては前情報で「イーサンの前に立ちはだかる」的な紹介をされていたし、FBIの上司スローン(アンジェラ・バセット「ブラック・パンサー/ワカンダ・フォーエバー」)にイーサンがラークかも!という嘘情報を流したりと「でしょーねー!」という感じではあるんだけど、一転、敵に回ってからの「強敵感」は半端ない感じではあった。

ただね、今回彼関連に関して、めちゃくちゃ不満点があるんだけど、それに関しては後述。

で、味方側だとM:Iの峰不二子ことイルサ・ファウスト(レベッカ・ファーガソン「レミニセンス」)が今回も登場!!今回も序盤は敵かな?味方かな?的な感じで時にイーサンに銃を向けるシーンがあるなど暗躍を見せるキャラクターではあるんだけど、前作でMI6を辞めたはずの彼女がなぜ現場に?ということを考えると、やはり専門職、簡単には辞めれないし、辞めたところで…という点で不憫よなぁ。

今作では一作ぶりにイーサンの奥さんジュリア(ミシェル・モナハン「ブラック・サイト 危険区域」)が登場するので、「え?結婚してたの?」と前作で若干イーサンを誘う素振り(ポーズだけど)を見せていたイルサとの微妙な三角関係も楽しめるのも本作の見どころ。

また、仲間関連で言うと、イーサンの頼れる相棒の1人、サイモン・ペッグ(「ラック 幸運をさがす旅」)演じるベンジーも今回特に良くて、前作でめでたく「ヒロイン」の座を獲得したわけだけど笑、今作ではラークを追うイーサンにその居場所をタブレットを使って伝える描写で「(左のところを右手と伝えてしまって)あ、ごめん!!スクリーン・ロックかかってたわ!」「(3Dじゃなく)2Dで見てた!!」と誤った情報を伝えるお茶目なシーンがあって、ルーサー(ヴィング・レイムス「ウェンデルとワイルド」)やイルサの呆れ顔と相まってめっちゃ笑った!!

で、今回のアクション!!目玉となるアクション自体は前作の飛行機しがみつきシーンに匹敵するようなインパクトはないんだけど、中でも凄いシーンは上述のウォーカー追跡シーン!!逃げるラークを追うイーサンなんだけど、今作でも「トム走り」を見せつつ、まるでパルクールアクションのようにビルの屋上や屋根を障害物をジャンプで避けつつ、ダッシュで駆け抜けていく!!普通に見ていて凄いわけだが、それを当時50後半のトムがやってるってだけで尊敬する。カメラの画質も多分普通に映画で撮るカメラではない市販のカメラのような画質で撮っているので、それだけ「ガチ」感が伝わってくるし、見ているとまるでドキュメントのようで笑えてくる。

中でもビルからビルに飛び移るシーンがあるんだけど、めちゃくちゃ高層ビルからビルに飛び移る際に着地に失敗しちゃうところでは、思わず家で1人で見ていて「あっ!」と言っちゃった笑。ここのシーンかわからないけど、どうやらここら辺のシーンで実際にトムは骨折したらしく(足を引き摺ってるのはそのせい?)、マジでジャッキーかよ!ってくらい体張ってんなー!!

また印象深いのはクライマックス。その後、辛くもラークを取り逃がし、一路跡を追い、最終決戦の地カシミールへ。ウォーカーの乗ったヘリに繋がったワイヤーを掴んだイーサンを乗せて遥か上空へ。もう、そこでのヘリに飛び乗るまでのシークエンスの怖さよ。腕の力でヘリの下部まで行き着くものの、そこでも滑って落ちちゃって(ここでも「あっ!」と声が出た)、でも、下の荷物にスレスレで捕まっていてセーフ。再度チャレンジして、「ふんぬっ!」と搭乗部まで行き着くものの中には1人の部下とパイロット!!そこで狭いヘリの中で大乱闘開始、辛くも勝つもののまともにヘリの操縦もしたことないまま無我夢中でヘリを操るイーサンとマジで手に汗握るっ!!また、ここでも所々カメラの画質が荒くなり、リアル感も増していてすげぇスリリング!!

また、そっからウォーカーを乗せたヘリとの空中ヘリバトルが勃発するんだけど、まぁーここもめちゃくちゃ凄い。揺れる車内で操縦テクを駆使しつつ、雪山を行き交いながら、ウォーカーが放つ銃弾を避けつつ、最後は盛大にクラッシュ!!ヘリという他の映画だと飛行機に比べてスポットが当たりにくいものに対して見たことがないライドアクションを披露してくれ、大満足!!

また、ラストは落ちるヘリの中からの崖伝いでのウォーカーとのラストバトルも背負い投げなどパワフルなプレイを繰り出す、明らかな体格差があるウォーカーに対して、知略を練りつつ、最後は勝ち、そしてルーサー、ベンジーが「あいつなら必ずやれる!」と信じてワイヤーを切ったラスト1秒でプルトニウム爆弾の爆発阻止をやってのけるカタルシス!!イーサン・ハントここにあり!!という感じでかっこよかったー!!

ラストは助け出された後、どうやら、「ゴースト・プロトコル」の前後でお互いの道を進むため、やむなくお別れして、新しいパートナーをできてたことが発覚したジュリアと言葉を交わすイーサン。

愛していながら、別れざるを得なかったのは残念だけど、イーサンはエージェントとして世界を救う道を、ジュリアは医者として医療の面から人々を救う道を、お互いの道は違えど志は同じ、それがわかっているからこそきっと2人は笑顔で別れられたんだろうなぁ。

ジュリアは去った。でも、彼には信頼する仲間がいる。彼彼女らと言葉を交わすイーサン/トムの朗らかな笑顔ったらない。最高の男であることがわかるラストだった。

そんな感じでやはりシリーズを追うごとにアクションの迫力も増し、それぞれのキャラクターの魅力とチームとしての結束も増すこのシリーズ、その最新作がついに来週公開!!期待して待ちたい。
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