takeachance

ミッション:インポッシブル/フォールアウトのtakeachanceのレビュー・感想・評価

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シリーズ6作目。2018年8月3日公開。
上映時間はシリーズ最長の147分。
監督も前作に引き続きクリストファー・マッカリーが担当。
回を重ねる度にトム・クルーズのアクションが
どんどん過激化しているのが気になる。
過去のシリーズの中では、
一番アクション映画としてのシーンが多いんじゃないか。

「アポストル」と「MI6」と「CIA」と「IMF」が
入り乱れて駆け引き合戦の様相になるに加えて、
前作からのキャラも登場。
全体的に人間関係がややこしくなっている。

人物の相関図をサラっとセリフで説明するだけなので、
力関係もわかりにくいし、
誰が味方で敵で、誰と誰が組んでるのかも
初見だとよくわからないかもしれない。

大迫力のアクションシーンに気を取られてはいるが、
オープニングでIMFからの指令が
ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』に
入って送られてくる段階で、なるほどなと思った。
今回は主人公である「イーサン・ハント」の
人物像そのものがテーマなのかと。

『オデュッセイア』とは、
詩人のホメロスが書いた古代ギリシャ叙事詩の一つで、
英雄と言われるオデュッセウスの
長い長い漂流と戦いの日々が語られている。
トロイア戦争を大勝利に導きながら、
その後いつ終わるとも知れぬ故郷への
遠大な旅を強いられた英雄の物語。
イーサン・ハントも同じように、
平和に暮らしているジュリアを遠くで見つめながら、
ずっと世界を駆け回る日々を送っている。

イーサン・ハントとソロモン・レーンの善悪を対比させて、
「英雄は何のために戦っているのか」
「英雄の帰る場所はどこか」を
今一度、観客に問い正す脚本に仕上がっている。
そういった意味では、007シリーズにおける
「スカイフォール」と脚本は近いのかもしれない。

ベンジーが今回もいいタイミングで笑わせてくれる。
「笑いとは緊張と緩和」なんだと、
桂枝雀も言っていたのを思い出した。

パリの女性警察官を助けるシーン。
トヨタのエンブレムがちょこっと出ていて、
これぐらいのタイアップなら「2」のような違和感もない。
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