北海道警察に就職した諸星は機動捜査隊に配属される。悪徳刑事の上司に「刑事は点数を稼いでナンボだ」と教わった諸星は、その素直さ故に教えを鵜呑みにして自らも悪徳刑事の道に足を踏み入れていく。公共の安全と市民を守る為に刑事になった諸星は「正義の味方 悪を断つ」をモットーに違法捜査を続けていくーーーーー。
2002年に起こった稲葉事件を基にしたフィクション。
こんな事が警察内部で行われてるなんて世も末ですね。公共の安全と市民を守る筈の警察がシャブをばら撒き、チャカを海外から輸入する。平和が保たれるどころか中枢から腐っていくような気がします。
完全な正義なんて無い。
この映画からは、そう言われているような気がしました。情報網を広げる為に、チンピラを袋叩きにしたりヤクザと手を組んだり真っ当な正義なんてこれっぽっちも無かった。チャカを上げる為に罪の無い人に金ばらまいて刑務所にぶち込んで、そこにはもう正義の欠片も無いと思いました。
時代が変わり、今は当時より酷くは無いかもしれないけれど少なからずこういう事は残り続けるんだろうなと感じます。
とは言え、作品自体は面白かったです。今年の邦画は良作が多いですが、これも然り。テンポ良く話が進んでいくので中弛みしないで観れました。
諸星の役、難しかっただろうなぁと思います。1人の好青年がヤクザのような生活を経てシャブ中の刑事になり果てる役は相当キツかっただろうな、と。
シャブを打つシーン、目が釘付けになって眉間に皺がよって瞼を閉じたくなりました。あの演技で綾野剛のイメージがガラッと変わったというか、イケメン俳優と呼ばれる彼がここまで体当たりの演技をした事で俳優人生は大きく変わったと思います。
恐らく、綾野剛以外の俳優であれば物足りない出来になっていたでしょう。
ただひとつ、柔道着が素晴らしいくらい似合わない。役作りの為に10キロ増量したみたいですがそれでも華奢。食べても太らない体質なんでしょうね。全然強そうに見えないのが残念でした。
俳優陣で言えば、デニスの植野行雄さん最高です。あのカタコトの日本語がエグい内容を軽く見せてくれて、気負いしないで楽しめました(笑)