HIKARU

君の名は。のHIKARUのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
4.7
『言の葉の庭』や『星を追う子ども』『秒速5センチメートル』新海監督の作品はどれもとても心を打つ作品ばかりで今作も製作発表からずっと楽しみに待っていた。その反面、今までの作品よりキャストや脚本、クリエイターのネームバリューが大きく、期待を寄せすぎると微妙だった時にがっかり度が大きくなって残念な気持ちになるのではないかと危惧もしていた。しかし、その心配をよそに最初から最後までずっとこの物語の中に引き込まれていた。相変わらずの映像美と、RADWIMPSの軽快かつ繊細な音楽、声優陣の演技、どの全ても素晴らしかった。そして何より、この物語自体が素晴らしかった。最後までどうなるんだろうというドキドキで少しも目が離せない展開、ファンタジーなのに観ていて切なくなる描写はとてもリアルで後半は切なさで涙がぽろぽろとこぼれてきた。どのシーンを思い出しても切なさと美しさで、また涙がこぼれてきそうだ。

途中で『時をかける少女』と『秒速5センチメートル』を思い出した。二作ともこれ以上ないくらい完璧な最高傑作ではあるが、この二作とは別の新たな道を見つけることができた映画だと思った。

また他のレビューにも書いてあるがとても余韻が残る作品で、観る前は映画後は買い物でもしようかなと思って出かけたのたのだが、観終わって明かりがつくころには、ただただこの物語の余韻にひとりで浸らせて欲しい気持ちになった。自然と耳に入ってきてしまう他の観客同士の感想の声なども嫌ですぐにイヤホンをし、時間があったのにもかかわらず買い物も行かずにまっすぐ帰ってきて、このレビューを書いている。

公開初日に観に行けたので、まだこれから時間を見つけてあと何回か劇場に足を運びたいと思う。今回は時間の都合で劇場の環境は気にせず観に行ったので、次はもう少し環境の整ったシアターでより映像美やサウンドを楽しみたいと思う。
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