就活生の多くは、圧倒的に弱者だ。
ちょっと背伸びをして、
自分をできるだけよく見せて、
あるのかわからない正解を探して、
その上で、選ばれるのを待つしかない。
昨日までの友人が、敵になったりもする。
内定が出た友達に
おめでとうと言いながら、
おめでとうと思えていない。
そんな自分が自分で嫌になる。
はやく受かりたい。
取り残されたくない。
もう、
なんでもいいから、
だれでもいいから、
私を何者かにしてくれ。
…そういう就活の時に感じたドロドロして情けなくて二度と味わいたくない感情が充満してた。
大きい流れに飲まれてギスギスしていく人間関係がほんとにほんとによく描かれてた。
演出も、最後は若干くどいと思ったけど面白かったし、「今」を切り取った作品としてはよくできた部類だと思う。
それでも、やっぱりしんどすぎたなあ。
これ私みたいだなと思うところがいっぱいあった。ありすぎた。
原作も既読なんですが、読んだ当時もしんどかったけどここまで嫌な感じにはならなかった。なんでだろう。
本だと、もう少し拓人の気持ちを追っかけられてたからかな。映像で見ると、拓人がちょっと苦手なタイプに見えて、感情移入しきれなくなってた。
人間の汚いところを描く映画は嫌いじゃないんだけど、、拓人については、汚いけれど正義があるとか芯があるとかいうわけじゃない気がして。ずっと逃げてる感じだったから。だからなんだか、好きになれなかったんだなぁ。。
この映画一番の収穫は、ボーカル菅田将暉がめっちゃカッコよかったことかもしれない。笑 忘れらんねぇよ最高です。
それにしても、朝井リョウさんの観察眼が素晴らしすぎる。そして恐ろしい。
こんなものを書く人と話してたら、見透かされた気分になるんだろうか。