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何者のononoのレビュー・感想・評価

何者(2016年製作の映画)
2.0
切れ味の良いテンポなのだけど、核心に踏み込めずに終わった印象。
出てくる人間が全員病的に見える。承認欲求や、満たされぬ自己実現願望のねじれが肥大して、無意識に他者を攻撃してる。あの就活対策本部の面々の間に流れる不和や不穏な空気の原因となっている、本来一緒に居ない筈の人種同士が同じ共同体に居るという要因が就活と偶然だけなので、後半のどんでん返しの訴求力に乏しさを感じた。それぞれが好きなことややりたいことを明確に持っているのは幸せなことで、唯一人持って居ない人間がきちんと居て、そういう人間こそ化け物になり得るのに、勿体無いと思った。
「あなたには出来ていいよね、私には出来ないから」という言葉の力や呪いに踏み込んで欲しかった。
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