RISA

何者のRISAのレビュー・感想・評価

何者(2016年製作の映画)
4.0
とにかく苦い物語。

苦くてゾッとする作品だけど、もし現実世界で他人の心の中まで知ることができるようになってしまったらこれがリアルなのかもしれない。

何者かになろうともせず何者かになろうともがいている他人に対しての僻み。つい他人のSNSをチェックしてしまい自己嫌悪に陥ったり優越感に浸ったり。他人の生活を覗かせて一喜一憂させるSNSって魔物。
そして自分が「何者」でもないという現実に気づいたときの虚無感。

マウント取ったり取られたり、、

「居心地の悪さ」についても色々なシチュエーションで表現されている。
そしてラスト30分は観ているのがしんどいくらいの畳み掛け。。


人の行いについて「すごいなぁ」と感じる人もいれば「ああやって良い人に見られたいだけでしょ」と感じる人もいる。
考え方や捉え方の相違は当然あることだろうけど、後者よりも前者の方が生きやすいんじゃないかな。後者は自分がその行いをする時にもそう思ってしまうわけで(もちろん自分のこととなったらそうは思わない人もいるのかもしれないけど)がんじがらめになって何も行動できなくなってしまう気がする。

「物は言いよう」
マイノリティとして生きていくことは自分自身と向き合っていく時間や人生の方向性を選択していく機会が多くなりそう。自分のことを俯瞰できる能力って大切でもあり邪魔でもある。自意識の保ち方って難しいよなぁ。
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