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少女のelvisのレビュー・感想・評価

少女(2016年製作の映画)
3.9
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永遠の闇、無限の回廊、四方八方の壁。一寸の光に温もりを感じても無常に消えていく。頼るものもすがるものもなく、なんで生きてんの?の繰り返し。
人生は虚しくてただ息苦しい。
そういうのをよく表現してある。

後半の出来すぎな展開(それはそれでスッキリする)、最後はそれでも生きるという選択の方へ道が続く。構成や映像の作り方が巧いのだと思う。
主人公は無名の人の方がキャラ付いたかもしれない。

要は、誰かが自分の為に生きていることを知ったら人は自分も生きようと思うのだろう。逆に言えばそれを知らずにいるうちは自分は世界の中にたった一人なんだと内に籠ってしまう。

良い小説は誰もが自分と重ね合わせてしまう、まさにそんな話。

とにかく前半の暗さに耐えられる人なら、全体的に良い映画だと思った。
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