にひみ

映画 聲の形のにひみのレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
3.9
いつかは観ようと思っていた本作だが、いつの間にか記憶から抜けていた。Netflixのオススメに出てきたことで全ての記憶が繋がり、興奮のままに鑑賞。
面白かったには面白かったが、期待したほどではなかったし、名作として語り継がれるというのはやや過大評価のように感じる。

まずは映像だ。京アニの魂の作画はいつ観ても度肝を抜かれる。
個人的に深夜アニメで観るような美少女は本当に個人的にだがあまり好きではない。しかし、本作のように京アニが描く美少女は鼻につくことがなく、本当に可愛いし美しい。

演出は心に残る演出から臭さを感じる演出まで様々。有名であるため知っていたが、クラスメイトの顔にバツ印をつける演出は新鮮かつわかりやすい。天才的である。
(まぁ、元々は原作の漫画家のアイデアだが。)

ストーリーについては盛り上がりそうで盛り上がらない、歯がゆい展開だと感じた。しかし、この部分に関してはキャラクター1人1人の心情を深く描いているからこそだと感じる。
どこにでもあるようないじめ問題。そんなどこにでもいる人間たちが本作のように集まって、劇的なエンタメ展開になっていく方がおかしいわけであって、本作のように淡々と盛り上がらない展開の方がリアルで好印象。

きっと生きていく上で人を傷つけることは避けられないのだと感じる。人類が生まれてから今まで、争いが絶えなかったように。
そこをしっかり理解した上で、でも傷つけない未来を諦めないことが大切なのだと。
まずは他人のバツ印を外すところからだ。
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