ふくちやんラーメン

映画 聲の形のふくちやんラーメンのレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
4.5

面白かった。

何に重きを置いて観ればいいのか、
人によって異なる映画やなぁと思う。

自分は主人公である将也と
その周りの人間との人間関係と思った。

人を嫌い、人から嫌われる。
そう簡単に割り切れたらいいけれども、
今の時代は「嫌われることが怖い」「友達が多くいてほしいから本音で付き合わない」っていうタイプの人が多い。
それゆえに複雑な関係とか、中途半端な存在の人が生まれる。

この映画にはそういう“今時”な人間関係が凝縮されてる。
その面でとても入り込みやすいし、主人公とその周りの人間それぞれの気持ちがよく分かる。

“耳が聞こえない”という硝子は、
物語のヒロインではなく、
「将也が人間関係を克服していくきっかけを作る1人の登場人物」にすぎないと思う。

だから単純に「2人はくっつくのか」というところだけに重きを置いて観ると、
それこそ中途半端な気持ちになります。

逆にそういう単純なキュンキュン映画どころか、
それを期待して観てる人たちへの
「友達との付き合い方ってこれでいいと思いますか?」
という問いかけまでに踏み込んだところがめちゃくちゃ面白かったです。