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エデン、その後の5555のレビュー・感想・評価

エデン、その後(1970年製作の映画)
4.8
明るい悪夢のようなミステリアスな映画。色彩と構図が美しい。
監督は記憶や視覚イメージに関心を寄せてるんだなと思う。
「未来記憶」という言葉がセリフの中に出てくるが、これは結構この映画全体を説明する言葉としても相応しいように感じる。
同じエピソードのバージョン違いのようなものを複数パターンみせる演出はロブグリエ監督が初期から行っているが、これが「デジャヴ」を起こさせる装置としても機能していることに気がついた。
EDENでの学生たちの演劇というかごっこ遊びのような遊びによって、何が演技で何が演技でないかが曖昧になる。つまり「物語内物語」と「物語」の区別がつかなくなるので、そのまま、その後の展開もどう位置づけられるのか曖昧で不安定になる。そこが凄く面白い仕組みだなと思った。
よく分からない部分も含めて魅力的な映画だった。
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