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エヴォリューションのKYのレビュー・感想・評価

エヴォリューション(2015年製作の映画)
3.7
ルシール・アザリロヴィック監督作。
フランス映画。

少年と女性しか住んでいない島で母親と暮らす10歳の少年ニコラ。その島の少年たちは、全員が奇妙な医療行為の対象となっていた。そんな島の様子に違和感を覚えたニコラは、夜遅く外出する母親の後をつけてみることに。

・・・

同時上映の蜂の短編を見ても思ったけど、この監督は人間ではない別の生物を擬人化して描き、その生態のリアルを描写する事で耽美的な映像に必然を与えていくタイプの作家なのか。

今作は水中で息ができる進化した女性たちの島での生態を描く内容で少年をさらっては自分たちの子どもを産ませるという内容だった。それがビジュアルとして綺麗なこと綺麗なこと。

蜂の短編もそうだけど生態の中心に置かれるのが圧倒的に女性なのにそこに男性を少し配するのは何故なんだろう。今作なんか特に女性のみで構成された世界観でも良かったろうに。などと思ったが、やはり男性を排除してしまうと性という価値観がそもそもなくなり生態としてのビジュアルに魅力がなくなるからだろうか。

個人的にはギャスパー・ノエが女に対する執着みたいなものを延々と描き続けてきたのに対し、その嫁であるルシール・アザリロヴィックは圧倒的に女性中心の生態に男はほんの一部関わる程度という世界観を描いてる所に泣いた。
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