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バース・オブ・ネイションのpeanutbuttermfのレビュー・感想・評価

バース・オブ・ネイション(2016年製作の映画)
3.5
奴隷のナットは幼い頃から字が読めた。
その為、農場主から聖書の勉強をさせてもらい、やがて聖書の巡礼をするようになる。
そこで目の当たりにするのは、農場主から危害を受けている奴隷たちの現状。
そして、ある事をきっかけにナットは仲間たちと立ち上がる、みたいな内容。

なので、聖書を読み上げるシーン多めです。
ネイト・パーカーの演技がすばらしく。
例えば序盤の農場での説教シーン。
酷い拷問を受けていた同胞(奴隷たち)に向けて、怒りと悲しみで声を震わせながら訴えかけるナット。
信仰心の全くない私でも、胸が熱くなった。

そして、比較的優しかった雇い主のサム(誤解を恐れずに言うと、この時代にしては)の変貌ぶり。
これがとても悲しい。
この手の作品にしては珍しく、雇い主のサム側の心情描写も割とあったので。
ただの嫌な奴という訳ではなく、父親が生きていた頃のように農場を盛り返したいのかなーとか。それでも上手くいかないプレッシャーとか。
最初の方は他農場の奴隷に対する仕打ちも見てられない感じだったし。
ナットとは小さい頃から友人のような関係だったのに。
いや、でも、すごく嫌な奴でした。やっぱ。

理不尽な人種差別に立ち向かった彼らのやり方は、正解なのかはわからない。
でも、そうするしか未来を変えられない状況だった事を考えると、やりきれない。

私的にはお気に入りの役者さん、コールマン・ドミンゴが出てたのが嬉しかった。
あとスパイク・リー作品の常連のひとも。
そういえば、ケルヴィン・ハリソン・Jrも出てたよね?
フィルマークスにはクレジットないけど、エンドロールにはあったかな?