シナモン屋三度笠

エクスポーズ 暗闇の迷宮のシナモン屋三度笠のネタバレレビュー・内容・結末

エクスポーズ 暗闇の迷宮(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

最初に1回最後まで見て、なるほどとわかった上で、そのまま2周目に突入(^_^;)。

スタッフロールで、原題がドーター・オブ・ゴッドである事に気付き、こっちの方がぴったりなのにと思う。

アナ・デ・アルマス演じるイザベルと女の子エリサのシーン全てが怖い(^_^;)。

そして、イザベルは嘘をついている訳ではなく、酷い経験をした後で信仰にすがった結果、奇跡体験を見たという記憶に上書きされている。だから、妊娠が判明しても奇跡が起こったと周りに喋ってしまう。(つわりの時期が早すぎる気がするのは目を瞑ろう(^_^;))

映像はイザベルが感じている事。しかし、同じ場所に居る他の人には、まったく違う光景が見えている(果物をワゴンで運んでるおじさんとかね)。

異形の天使もイザベルが不都合な真実を思い出しそうになると出て来てギョッとして気がそがれる感じ。
地下鉄駅のポスターと同じ絵のトートバッグを見た時は、危うく思い出しそうになり、奇跡体験の男が脳裏に現れ鎮めた。

記憶が上書きされているとはいえ、ショッキングな体験はイザベルの精神を不安定にし、さらに昔に忘れていた記憶を呼び覚ます。
家族写真から、エリサが過去のイザベルである事がわかる。となれば、DVの行使者は父親ということになる。
実際、エリサを送って行った集合住宅は、後から出て来るイザベルの実家と同じ場所で撮影していると思う(エリサを招き入れる一瞬だけ廊下が見える(^_^;))。
昔、何があったのかは、父親が「命をかけて護る」と言いながら抱きしめた時のイザベルの反応で想像できる。耳をすまして父親を買い物に連れ出す母親も、当時から知っていたのだと思う。
実際にはそこに居ない昔の自分を助けるために、父親を刺してしまったわけで、因果応報と言うか、なんともやり切れない結末ではある。

最後の黒い服に白い顔の天使は、イザベルの目線からキアヌ・リーブスを追って居るように見えるが(珍しく黒い革のコート着てるし)、彼女には、天使に見えているのかもしれない。

シナモン屋三度笠さんの鑑賞した映画