打つ音、呼吸の音、頭を掻き毟る音、扇子の音。
対局中の緊張感が、音だけでビシビシ伝わってくる。
羽生善治を追い詰めた「怪童」村山聖の話。
将棋のルールがわからない私でも「これはすごいぞ」と心がざわめく感じがした。
対照的に、村山聖の人柄を表すユーモラスなシーンも多かった。最初は「えっ?」と思うような風貌や行動も、根拠や意味があると思うと愛しく感じる。
東出演じる羽生善治とのデートのような2人のやりとりはニヤけてしまう。
しかし、その会話や染谷将太演じる弟弟子との会話も、将棋に命を捧げた人間の愚直な思いが溢れていて涙が出てしまうものだった。
松山ケンイチも東出昌大も、本人に似ていてびっくりした。