プライ

バイオハザード ヴェンデッタのプライのレビュー・感想・評価

1.0
TVゲーム『バイオハザード』シリーズを原案としたフルCGアニメ映画の3作目。ストーリーの時系列はゲームシリーズの『6』と『7』の間。

シリーズが誇る2大プレイヤー・キャラであるクリスとレオンや『0』以来の登場となるレベッカが集結し、ゲーム・ファンにとって堪らないメンツである。特に、クリスとレオンはゲーム作品では片方が登場すると、もう片方が登場しないのが基本なので、2人が肩を並べるだけでファン待望の絵面となっている。

過去2作品に比べて、残酷描写がパワーアップ。血飛沫と人体欠損が少し追加されて生々しい。大量の一般人が無情にも被害に遭い、凄惨な光景が作られる。本作で登場するクリーチャーの肌質がグロく、手で触れたくないような怖さを抱かせる。

過去作2作品に比べて、アクションは激しさを増した。ゲームシリーズの『6』でプレイヤー・キャラの身体能力が強化されたことを踏襲し、『ジョン・ウィック』シリーズの「ガン・フー」を彷彿させる銃撃と体術の組み合わせになっている。だが、クリスとレオンの強さに一貫性が無いのがマイナス。序盤のクリス及び中盤のゾンビ犬が登場した際のクリスとレオンは、明らかに他の戦闘シーンに比べてパワーダウンしてる。体が動かないどころか、なぜか急に及び腰になる。ゾンビの大群や人智を越えたラスボスには常識では考えられない瞬発力を駆使して果敢に向かっていくのに、なぜゾンビ犬2匹にはビビるのか。さらには、敵を一般人が大勢いる場所まで誘き寄せ、一般人を巻き添えにしながら攻撃する。極め付けは、敵と同時に一般人を殺害する。しかも、一般人は風景として処理される。ふざけとんのか💢正義の味方であるシリーズの主人公が一般人を殺害した時点で、本作は論外でありマイナス100億点なのである。

ストーリー設定が面白くない。都合の良いゾンビの感染方法と都合の良い治し方で構成されており、特に奥深さはない。感染範囲は広くてスケールが大きいけど、都合の良い設定の域を抜けてないため、こじんまりしてる。

クリスとレオンが激情的すぎる。今までバイオテロから戦い抜いてきた判断力を持ち合わせているとは思えない。レオンに至っては、やさぐれキャラも追加され、ブレブレの人物像と化してしまった。

総論すると、残酷描写とアクションは過去作より磨き上げられた。だが、それ以外はダメ。そして、主人公が一般人を殺害して全く気にも留めないシーンがあり、余りにも論外な作品。シリーズとして1本の映画としても最低。


⭐評価
脚本・ストーリー:⭐
演出・映像   :⭐
登場人物・演技 :⭐
設定・世界観  :⭐
星の総数    :計4個
プライ

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