やまちよ

パターソンのやまちよのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
4.0
試写にて。

パターソンというタイトルは主人公のなまえでもあり、地名でもある。

映画を見終えた後、パターソンのいう響きと田舎のようで田舎ともいえない微妙な風景が気になって、ググってみると、湾曲した川に囲まれた碁盤の目のようなNY郊外の小さな町で、主人公が詩を書いたりランチを食べたりする公園は、グレートフォールズ国立歴史公園なのかなあ。 あの滝のシーン、目に焼きつきました。

地図で見ても小さな町のあの場所がジム・ジャームッシュの手にかかれば、人間も風景もとても豊かなシーンになるのだなあと思いました。

同じ道を歩いて職場まで出勤し、同じ質問を投げかけられるような日常をどこを切っても金太郎飴のように生きているように思えても、一瞬一瞬の感情は千色で心の中には詩があって、笑って日常を受け入れている。

詩作とは無縁のわたしに夜中に警備員をしながら詩を書いているんだよと詩を読んでくれたことを、ふと思い出しました。
そんな記憶をよびおこすような映画でした。
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