ハギマニア諸島

パターソンのハギマニア諸島のレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
4.0
穏やか過ぎる程に心地よく「ああ〜わかるわぁ〜」てなる作品。

自分という人生の周りにも数多幾千の人生があって、自分にも毎日という物語があるように周囲の人々、例えば交差点で通りすがった人にも毎日という物語がある。

起伏がほとんどない淡々とした日常の中での些細な変化を描いた作品に感じました。

私自身に置き換えてみても、
平日、朝起きて、同じように準備をして、ほぼ同じ時刻の通勤電車に乗り、同じ職場で同じ人間と働き……、と毎日"ほぼ"同じことの繰り返し。
しかしながら、自分に変化がなくとも例えば通勤電車に乗っている人は変化するし、職場の人間の表情にも変化があったりする。
つまりは、同じことの繰り返し だと思っていた毎日は、実は毎回新しい。

幾度と登場する詩は、その隠喩なんでしょうか。

本作、人によってはかなり眠気を誘いそうな程超絶淡々としてますが、クスッと笑えるシーンも結構あります。

つまらないと決めつけモノクロに見えていた日常にも、実は様々なカラーが隠されている、というような日々の小さな生きる喜びを教えてくれたような気がしました。



てか主人公のアダムドライバーみたく、いつも冷静で優しい詩的な男になりてぇ…………