Rena

パターソンのRenaのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
4.8

登場人物の関係性を動かすような大きな出来事は一切なし。
パターソンが過ごすいつも通りの1週間を描いているだけ。
でも、不思議と退屈しない

ローラやドクと交わす会話の内容は毎日変わるし、たまにハプニングもあって、
毎日同じリズムで生活してても、全く同じ日はないってことに気づかされる

"さすがにそれは…"って言いたくなるようなローラの夢も、パターソンが文句ひとつ言わずに許すのは、
自分にはないローラのそういう部分も含めて愛してるからだよね…
ローラもパターソンの詩を純粋に褒めるし、
お互いのすること・したいことを尊重し合っていて、すごく素敵な夫婦

普通の男性の普通の1週間のように描かれてるけど、
こういう穏やかで平和な生活を送るのってそう簡単じゃない気がする
パターソンが何気なくやってる、周囲の小さな変化に目を向けたり、趣味や他人との会話を楽しんだり、愛する人を大事にしたり…って心に余裕がないと難しいことだから、
実は彼の生活は精神的にすごく充実してる状態なんだと思う
色んな要素が作用し合ってそういう生活ができてるのかもしれないけど、
"携帯電話を持ってない"ってかなり大きな要素になってるはず
情報から程よく隔離されてるからこそ、自分のペースを乱されず淡々と生活できるんだろうなぁ

夫婦像も生活の仕方も、わたしにとっての理想が詰まった映画だった
Rena

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