レオナルド

バースデーカードのレオナルドのレビュー・感想・評価

バースデーカード(2016年製作の映画)
4.8
すごく視聴者に寄り添った、優しい作品でした。物語自体は1つの家族のただの10年間です。なのにいつまでも見ていたくなる、一緒に時間を過ごしていたくなる、そんな素敵な映画でした。

宮崎あおい演じる芳恵が残したバースデーカードという糸がいつまでも家族を包み続けたその様子からは小説「有頂天家族」の一節『1つの大きなサヨナラが残された人達を繋ぐこともある』という言葉が想起されました。

時系列の長い作品ということもあり描き方は難しくなりがちですが、そんな中での余白の取り方がとても上手かったです。想像の余地を残しておくことで観る人に、紀子の成長であったり葛藤であったりをすぐ近くで感じさせているようでした。

支離滅裂ではありますが今年1番の感動作に出会えました。上映館数もあまり多くないとのことなのでお早めに観ることをおすすめします。
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