ヒラツカ

リトル・マーメイドのヒラツカのレビュー・感想・評価

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
2.9
足が生えてから馬車に乗せられたシーンで、歌わない!?ミュージカルにおいて、突然歌い出す違和感を誤魔化すために、これまであらゆる先人たちが苦労してきたのに、あっさりと拒否しちゃうのがパンク。僕は原作の2Dアニメはたぶん観たことがないのだが、こんな『アクアマン』みたいなアクション冒険ものだとは知らなかった。
アリエルの役にハリー・ベイリーが着任したことについて、いくつかの議論があったようだ。なかなか難しい問題だとは思うが、僕が思ったのは、「人魚」という種族と人類との交流を描くわけで、これを「人種」に置き換えるというのは、異文化ギャグとか禁断の恋を描くに当たって、単純にわかりやすいよねということ。今回は、お父さんのハビエル・バルデムはスペイン人だけどアリエルはアフリカ系、また姉妹たちがみんな違った人種という家族であり、ぱっと見、これは家族なのか、そもそも同じ王国なのか、よくわかんないんだよな。こういうを「わかんない」と一蹴することこそ、ルッキズムによる偏見や多様性の欠如であり、時代に即してないということになっちゃうのかな。