千秋姫

冷たい熱帯魚の千秋姫のレビュー・感想・評価

冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)
4.0
色んな評判を聞いていて、観るのを躊躇していた作品の1つw
観てしまった…あぁ…(笑)

埼玉愛犬家連続殺人事件を元に作られた作品らしいけれども
まぁリアルよりも映画の方がグロイだろうよ、色々と…。だって、園子温だものw

観終わった今、手先足先末端がキンキンに冷えとります(; ^ω^)(^ω^ ;)www

でんでんと、吹越満の演技の迫力が物凄い!黒沢あすかのエロスも良い!
これ、映画館で観た人達、途中退室する人いたでしょ絶対w

猟奇的殺人現場の、遺体バラバラに大爆笑しながら切り刻むシーンとか
肉片を川に捨てるシーンとか
首絞め殺人シーンとか諸々

そこらへんのグロさに関しては
昔そっち系にハマった時代があるので特に何とも。
いやむしろ、リアルな死体が映っている訳では勿論無いので
個人的には大した事ないのだけれども
(グロ系むりな方には絶対オススメしません、絶対にw)

何でこんな心臓バクバク胃がキューってなったかと言うと
冒頭に書いた「リアルよりもグロイ」という点。

吹越満の、静かな狂気がジワジワと中盤から後半にかけて爆発していく様、
でんでんのハイテンションでネジ1個ぶっ飛んじゃってますなキャラクター、
黒沢あすかのエロス。

それらは全て、私達の中に眠っている人間の「欲望」
そして「闇」のようなものだと思うから。

埼玉愛犬家連続殺人事件の犯人が、実際にこういうキャラクターだったのかは謎だけれども
使っていたセリフや、実際にもサイコロ大の大きさに遺体を刻んで川に捨てていたということだし

でも、同じ付近でオウム真理教の地下鉄サリン事件なんかがあったせいで
本事件はそこまで騒がれなかったとか…。
しかしとにかく、リアル。
そしてそのリアルは、現実界よりもグロイ!

だって146分という中にその全てが詰め込まれているから
リアルな現実世界よりも濃縮密度が濃く、グロイ!

ここまで書いたところで、好き嫌いがハッキリ分かれる作品だってことは
言わずとも分かるだろうけれども…

後半のシーンに、血みどろの中、切り刻んだ肉片や内臓やらを踏みながら
ツルツル滑りつつ争い合うシーンは

あれ?なんかこーゆーの、ドリフか何かの昔のお笑いシーンで(今もかも?!w)出てくるよね?w
と、観ながら爆笑してしまった私(; ^ω^)(^ω^ ;)www

つまり、とにかく突き抜けているキャラクターの登場人物と映像ばかりで
園子温様様、と言った感じ!!やっぱり、さすがです

ラストシーンでは思わず涙腺が緩んだ…
果たしてそれは、何故か?

理由は、この中に出てくる登場人物全員が
私自身に置き換えることが出来たから…。

でもこれは、私だけじゃないはず
人間みんな1つ皮を剥げば、こんなもん。だと、思う。
いろーーーんなものに包まれていて隠れているだけ。
出す理由も無いから、そっとしておいているだけ。

一見、狂っている人達ばかりが出てきているようにも観えるが
狂っている、目を覆いたい、そう思うことの真理は
私達自身がみんなそうだから、だと思った。

いやー、園子温は天才だな
千秋姫

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