トノモトショウ

青春残酷物語のトノモトショウのレビュー・感想・評価

青春残酷物語(1960年製作の映画)
3.0
あの時代だからこそセンセーショナルな内容になり得たが、現代では寓話にすらならないのが寂しい所でもある。ここで描かれるのはいわゆる安保闘争以後に生まれてしまった社会全体の残酷性なのだと思う。若者は「夢などない」と語るが、それは「夢など持ち得ない社会」になってしまったということ。そして彼らの先天的な反抗はセックスや暴力に向けられる。それだけのことだが、だからこそ生々しい物語になるのだろう。