クリフ・カーティスってイカつい役が多い印象でしたが，こういう柔和な表情でいかにも慈愛に溢れた感じの演技も中々上手いもんですね。トム・フェルトンはマルフォイやってた頃と比べると随分歳取った印象を受けますが，それに伴って演技力も磨きがかかったのかジョセフ・ファインズとのやり取りの中で見せる細かい表情や目線の動きとかがとても良かったです。
以下内容について。敬虔なクリスチャンが観る分には素晴らしい映画かもしれんが，う〜ん，異教徒にまで響く内容ではなかったかな……あくまでキリスト教徒向けの作品かと思います。イエスの復活こそがタイトルでありテーマだからそういうものなのかもしれないけど，イエスが説いた哲学や教えに関する言及はそこそこに超常的な奇跡を強調しまくるので，正直ちょっとテンション置いてけぼりになる感はあります。
登場人物やそれぞれの勢力の関係性などもほとんど説明なしに話が進むことからもわかるようにこの映画は基本的に聖書の知識がある人向けです。ゆえに，キリスト教の教義や哲学といった理屈っぽいことは分かってる前提としてそれは置いといて，奇跡のエピソードを可視化したものを提供したいというのが制作意図なのかなという感。
ターゲットにされてる観客層ではない以上外野から「ああしろ，こうしろ，こうじゃなきゃつまんない」というのは野暮だしおこがましいんで，まあ単にそういう映画ですよって話です。
