にひみ

鉄コン筋クリートのにひみのレビュー・感想・評価

鉄コン筋クリート(2006年製作の映画)
3.5
アニメ好きとして観なければならない作品と感じ、半分義務感に駆られ鑑賞。
色々と散らかっている印象。期待値よりも遥かに下。

まず、作画は完璧だと感じる。漫画がそのまま動いているかのような、革新的なアニメーション。
また、パルクールのアクションシーンが、作画や雰囲気と見事にマッチしていて素晴らしかった。

ただ、他の部分には色々と問題がありそうだ。
まず、ストーリーに関しては正直褒める点が何もない。「だから何?」という一言で片付けられてしまう。やりたいことが多すぎるのでは。誰にも感情移入できなかったし、伏線っぽいところが出てきてもほとんどが回収せずに終わったと感じる。
結局、これを観せることで観客に何を伝えたかったのかがさっぱり。

「この作品はアート作品だ! ストーリーやメッセージ性なんて無くて当たり前だ!」
なんて意見が飛んできそうだが、アート映画として見ても弱いと感じる。確かに上でも書いた通り、作画や雰囲気はとても好みだったのだが、これだけでゴリ押しできるほどの魅力は無い。

また、音声に関しても問題を感じてしまった。ボソボソ喋るシーンがマジで何を言っているのか聞き取りづらい。耳が疲れた。
声優のニノは思いの外良かった。思いの外。

良かったところもあるにはあったのだが、残念な部分が目立った印象。
両者が相殺しあって、この点数に落ち着く。
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