ShinKato

美しい星のShinKatoのレビュー・感想・評価

美しい星(2017年製作の映画)
4.3
先日観た『メッセージ』、鑑賞直後にわからなかったことがいろんな人の感想や解説でわかってきて、名作を自分の目で確信出来なかったことがほんと悔しい。この『美しい星』もそれ同様、理解してない部分が多い気がするが、なんだろうこの高揚感。前のめりに傑作を確信してしまっている。
原作未見のため、トンチンカンなことを言ってるかもしれないが、そもそもあの3人は本当に宇宙人なのか?自分はわかっていなく、実はみんな地球人という解釈も自分の中にはある。しかし、現時点で我々人間に物言える存在は人間しかいない中、痛快に人間の愚かさを示す方法として、猿の惑星然り人間でない生命体がその役を果たすことで圧倒的な説得力を持つ。その点で三人が疑いの余地なし宇宙人であるように見せたあの覚醒シーケンスは、強めのBGM、感覚に訴えてくるカットワーク、三人三様の「人間離れ表現」が融合し今まで見たことのない映像となり、恐ろしほど高揚感があった。

「もし、人間が自分たちの手によって滅亡してしまうとしたら、生命の歴史上そんな生物がいたのだろうか?確かに道具を使い他の生物とは一線を画している人間だが最終的にそうなってしまうとしたら、これほど愚かな生物はいないのでは?」そんなことを昔から漠然と思っていたのだが、この映画はまさにそこに触れているように思ったし、忘れられない作品になることは間違いない。

あと、中嶋朋子の母の演技が素晴らしい。家族が宇宙人どうたらと言い出して、否定しながらも言葉の端々で若干受け入れているあたりのオカン感最高。
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