みゆ

美しい星のみゆのレビュー・感想・評価

美しい星(2017年製作の映画)
3.8
2017.06.01(120)
劇場


原作未読。三島原作ということ、そして吉田大八監督の「紙の月」が良かったので、見てみたいなと思っていたら高評価も続々と目にするように。

面白かった。よく分からない部分もあったけれど良かったよ。

一番は橋本愛ちゃんだな。今まで見てきた橋本愛ちゃんの中で一番自然で一番美しかった。実際綺麗な子だけど撮り方もより綺麗に見えるように撮ってる。まだ若いから演技を模索しているんだろうけど、過去作品では下手だなぁと思うことも多かったので、今作の橋本愛ちゃんは久々にきたー!という感じで嬉しかった。役に溶け込んでいたと思う。

リリーさんも雰囲気イケメンぶりを封印していて好感が持てた。意外にも美尻なのでこれから見る方は要チェック(笑)

亀梨くんはジャニーズだから仕方ないけど、自転車用のヘルメット脱いでその髪はないだろうというくらいキメキメだったのは残念だった。重箱の隅をつつくと言うことなかれ。そういう小さい部分はジワジワと作品全体へ影響を及ぼしてくるので、結構大事なのだ。あと眉毛整え過ぎ。仕方ないんだけど。

佐々木蔵之介もイケメンっぽさは封印され、良い感じの薄気味悪さが作品に重みを与え、謎っぽさも深まり良かった。

何より縁の下の力持ち的なのが中嶋朋子だ。実に自然。一番説得力のある演技と存在感で、出過ぎず控えめ過ぎず、とにかくいつも絶妙な立ち位置にいてプロだなと感激した。います。こういう人。

で、今作はひとつには家族の物語。単純にそこだけを見つめながら鑑賞するのも悪くない。

もうひとつ。痛烈な現代社会への風刺。これは取り入れ方が巧みだった。正解不正解を観客に考えさせるやり方は嫌いじゃない。

映画全体をくまなく見ると、どう解釈したら良いのか迷う部分が結構ある。上手く煙に巻かれた感じも否めない。そんな自分の考えは正解なのか不正解なのか、深い意味を探るべきかそのままに雰囲気を受け止めるべきか、見終わったあと真っ先に頭に浮かんだのはそういう戸惑いだ。これは私にとってはあまり良いポイントではなかった。

演出はすごく良かった。好みもあるだろうが、演出は実に良かった。

いずれ原作も読もうと思う。
みゆ

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