ゆわ

さよなら、ぼくのモンスターのゆわのレビュー・感想・評価

3.8
メイクアップアーティストを目指す学生オスカーは父親と小さいころから一緒の愛しいハムスターとの二人暮し
平凡だけど何もない日々の中で時折甦る記憶。小学生の頃にみたいじめの暴力事件
目撃した小さいオリバーはずっとそのことを胸に秘めて誰にも言えなかった
夏休み、バイトをはじめるオスカーは同じ年代の制服を忘れたバイト仲間に自分が着ていた制服を貸すことになる
それ以来彼のことが忘れられなくなりまるで恋をしているかのようになる
自分の貸した彼が着た制服の匂い、
笑顔や声、向けられる視線
もしも彼とそういう関係になれたら…
思いが爆発しそうになったときふいにまた小学生のころの記憶が甦る
バイトをクビにされ彼は遠くに行くことになりメイクに協力してくれた女友達とも上手くいかなくなりメイクの学校にも落選し母親に嫉妬した父親の束縛にうんざりしたオスカーは父親をクローゼットにつき倒してしまう
なにもかもが上手くいかなくなり母親の家に転がり込む
自分ばかりが不幸になってる
そんな思いを母親にぶつけ落ち着いたオスカーはハムスターのことを思い出す
カッとなりやすくすぐに八つ当たりする父親が何をしでかすか分からない、急いで戻るもすでに遅かった
小さいころから一緒で言葉も何故か通じてて自分のことをいちばんよく分かってくれたハムスターのパフィーが父親の手によって殺された
ただならゆ様子だった息子が気になり追いかけてきた母親と父親が口論をしている
それをどこか遠くで聞きながらあの日の記憶を思い出す。いじめというには行き過ぎた行動に障害が残った被害者
助けに行ったのになにも出来ず誰にも言えず臆病で卑怯な自分
自分の足の上動かなくなったパフィー
あの頃のようにはもうならない…
鉄の棒をもって父親にふりおろす、
彼のあのころの後悔、臆病で卑怯な自分との決別、いろんな気持ちがごったがえし止められない



誰もがいちどはとおる他人との違いに悩み
うまくいかない夢に絶望し
自分だけが不幸だと感じる
でもそんなことはなくていつも愛されていた、あんなに嫌っていた親からだって愛をもらっていた
それに気づくのは難しくてそして気づいた時には遅い時もあって
なかなか言い表しにくい映画
ゆわ

ゆわ