映画の味方あっつマン

マザーレイクの映画の味方あっつマンのレビュー・感想・評価

マザーレイク(2016年製作の映画)
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西暦2036年、世界的写真家となった藤居亮介が故郷である滋賀に帰ってきた。自身の写真が展示される博物館で旧友の田中賢人と再会。亮介は、20年前、11歳のときに想像上の恐竜、ビワッシーの実在を信じて、琵琶湖に浮かぶ沖島を目指した冒険の日々と、その秘密を語り出す——。

私が滋賀県出身なので、ずっと気になっていた映画だった。しかし、関西の一部でしか公開されていなかったため、DVDのレンタルを待ってようやく鑑賞(※ここまで滋賀に全振りした映画を関東で上映しても仕方ないからねぇ…)。

UMAが流行っていた頃に話題になったネス湖のネッシー、屈斜路湖のクッシー、池田湖のイッシー。ならば琵琶湖にはビワッシーがいても良いのではないか…滋賀生まれなら一度は考えたことがあるはず(※かなり多分)。

本作は、ビワッシーを見つけに行く子供の冒険を描きながらも、家族ドラマを中心に置いている。主人公の亮介は、母親とは死別していて父子家庭だ。その父親は不器用で、仕事も家庭も上手くいっていない。思春期前の親子の微妙になり始める関係が前半で表現されている分、後半の父と子の関係を取り戻して行くシーンは、心が温かくなる。

そして何より、タイトルに“マザー”が付いているように、死別したとしても、家族にとって母親の存在は偉大だと思わせてくれる映画だ。

県民にしか分からないような身内ネタも随所にあるので、滋賀出身者なら楽しめるだろう。映画の舞台になった沖島は、琵琶湖の中で唯一人が住んでいる島で、県民なら遠足で行く定番スポットだ。映画のロケ地としても、しばしば使われるので、少しは知られるようになったかもしれないが。

近年、滋賀のフィルムコミッションが、頑張っているお陰で、本作以外にも「ちはやふる」「信長協奏曲」「トリガール!」「るろうに剣心」「はがない」「偉大なる、しゅららぼん」等々、出身県が舞台として出てくる映画が増えてきた。滋賀出身の映画ファンとしては嬉しいことだ。

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私のプロフィール画像は、滋賀ではよくある「飛び出して坊や」だ。学校の通学路などに、子供の飛び出し注意喚起のために設置されている。本作の中にも沢山出てきていた。