しちみ

愚行録のしちみのレビュー・感想・評価

愚行録(2017年製作の映画)
3.8

愚行 : ばかげた行い、おろかな行為。

ラスト30分から私の中で沢山の伏線が点と線で繋がり、目が離せなくなりました。
正直最初から中盤に掛けてはグダグダした流れで絵を描きつつ見たり、ご飯を食べたりしてました。笑

ところが物語が進んで行くにつれて現実でもよくある『あの人、ほんとはそんな人じゃないですよ』っていう部分と『じゃあ一体この人はどんな人なんだろう』って襲ってくる探究心みたいなものに心が動かされる。

これは自分がそうだからこそ思うことですが、どれだけ近い関係に至った人でも知らない側面がある時ってあるじゃないですか。いわゆる他人にどこまで本当の自分を晒せるかみたいな。案外どれだけ親しくてもその人の知らない部分って沢山あると思うんですよね。

そういう人間の深層心理というか、どこか気になる、興味がそそられるっていうのを上手く表現していて良かった。
原作未読、あらすじすら把握しないで観ていたので物語の流れを掴むまでは退屈でしたが結果的には何回かヘビー級のパンチを食らった気分に(笑)

この映画に出てくる人は全員愚かなだなぁ、と思いました。人間結局は愚かな生き物でそれを表に出すか、出さないかの違い。

原作、演者も天晴れ。
よく分からないハラハラ感が個人的には堪らなかったです。
気になってるけどまだ見てない人はオススメなので是非!
しちみ

しちみ