ちちゃんちちゃんち

オールド・ジョイのちちゃんちちゃんちのレビュー・感想・評価

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)
3.0
おっさんズ往て帰りし物語。火を前にして当て所ない焦りと不安が身体から溢れ出す。梅雨が明け今バスの車窓から眺めた東京の夕焼けはさらさらのクリーム色と空色とピンク色の層だけれど、ここではずっと明るく曇っていて、yo la tengoはいつまでも夜のための音。高さや道の窮屈さがない他はアメリカであっても群馬と同じような山の姿で、私まで温泉に浸かっている心地。"悲しみは使い古された喜び""街には木、森にはゴミ" 満ち足りていると語る彼の車でかかるひどく社会派なラジオは強烈な違和感を胸中に置き去りにしていく。具体的な転換点が無くとも人間同士の関係性が少しズレてたしかに元には戻れない感覚。凝り固まった肩みたいな窮屈さを手渡されてしまったから他の作品も観に行こうか。ワンチャンカワイイイイ