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花芯のfumiのレビュー・感想・評価

花芯(2016年製作の映画)
3.3
「あなたを見ていてふと気が付いたんだけれどね
、私は人生恋をした事がなかったわ」という祖母の言葉を思い出した。

全体的な後ろ暗さと純日本文学的な言い回し、静かにじっとりと進んでいく展開は非常に好み。この内容を昭和30年代に発表した瀬戸内寂聴は本当に凄いと思う。

一緒になった瞬間に興味を失ってしまう。愛されるから愛する事ができるというわけでもない。お互いに愛し合うのが当たり前で美しいとされている世の中で、そうでありたいと思いつつ愛しきれない。真っ直ぐなのにどこか上の空。そんな園子に共感する人は意外と多いのでは。
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