このレビューはネタバレを含みます
ずっと涙が止まらなかった。
許せないよ、イズミ。
被害女性の立場になって考えたら、彼が後悔してようが更生しようが知ったことじゃないし、許せないよね。
だからこそ、そうなる前に何で先にあの山の温かい人達に出逢えなかったんだろうって思ったりもしたのだけど。
でも、彼は逃げなかった。
だからこの先の長い人生もちゃんと生きていけるんだよね。
言葉にするのは難しいけれど。
例えば道を踏み外したとして、傷つけた人に許されることはなくても、それでもその先も続いていく一つの人生だから、イズミのように救いがあるかもしれなくて。
あって欲しいな、なんて。
この映画を観ていたら、思ってしまった。
おばあちゃんの言う「坊はいいこ」って言葉にだって、嘘はなかった。
おばあちゃんから見た坊は本当にいい子だったんだもんね。
シゲ爺の言葉も、強くて温かかった。
心のこもった食事や温かいお風呂、やり甲斐のある仕事や屈託のない人の笑顔は、心を癒す。
田舎の風景も繊細なお芝居も秦さんのアイも全てが良くて、こんな夜更けに、ソファから動けなくなってしまった。