Furuhata

マンチェスター・バイ・ザ・シーのFuruhataのレビュー・感想・評価

5.0
2017年度年間ベストの一本。容疑者ホワキン・フェニックスの一件で業界や世間から干されていたケイシー・アフレックがカムバックした作品。当初主演予定だったマット・デイモンが兄ベン・アフレックとの交友もあって、弟のケイシーに役を譲るという粋な計らいが、正にどんハマりした。男前だがどこか不幸オーラが滲み出る顔としての役割を彼以外に果たせる人は居なかっただろう。そのままアカデミー主演男優賞まで獲っちゃうというオマケ付き。マット・デイモンだったらまた違う見え方になっていた気がする。どこか憎めない馬鹿な子供染みた大人に好感度を持てる人であるほど、その反動が大きくなるあのシーン、主人公同様、呆然とする他なかった。シンクロ率120%。また子供がいる人も更に共感度と恐怖が上がる内容。監督のケネス・ロナーガンの細かな演出も素晴らしく、ロケハンや少し錆びれた田舎の漁港町に生きる人の描写もリアリティがあり、説得力を持たせていた。どうしようもないことを無理矢理忘れたり、乗り越えようとせず、本の少し前を向いて、でも何も変わってないというか。。人間変われるけど、そう簡単には変われない。なんとも言えない葛藤を描いた傑作でした。文句無しの一作。
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