マンチェスター・バイ・ザ・シーの作品情報・感想・評価

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マンチェスター・バイ・ザ・シー2016年製作の映画)

Manchester by the Sea

上映日:2017年05月13日

製作国:

上映時間:137分

4.0

あらすじ

ボストン郊外で便利屋として生計を立てている主人公が、兄の死をきっかけに故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーへと戻り、16歳の甥の面倒を見ながら過去の悲劇と向き合っていく―。

「マンチェスター・バイ・ザ・シー」に投稿された感想・評価

糸くず

糸くずの感想・評価

3.9
時はどんな人間にも同じように過ぎていく。そして、時は傷を癒す。しかし、「時」という薬の効き方は人それぞれであり、過ぎた時間は同じでも、傷の治りは違う。

終わりそうにない雪かき。アイスホッケー。「寒い」と繰り返し悪態をつきながら歩くリー(ケイシー・アフレック)とパトリック(ルーカス・ヘッジス)。なかなかつかない車のヒーター。冷凍庫から崩れ落ちてくる冷凍食品。そして、最後に投げ捨てられるアイスの棒。

この映画は、火と氷の映画だ。火はほんのわずかしか映らない。しかし、この火は、リーの全てを変えてしまった。たった一度の過ちによって、彼の心は冷たく凍ってしまった。映画の中でのマンチェスターの雪がずっと溶けないように、彼の心もまた雪どけにはまだ早すぎる。ランディ(ミシェル・ウィリアムズ)のように、「心が壊れてしまった」と言って泣くことも、新しい愛を迎えることもできない。バーでぶつかった男を反射的に殴るリーの怒りと苦しみ。

けれども、この映画は絶望を描いた映画ではない。「どんなに凍りついた心であっても、いつかは溶ける日が来るだろう」という希望とささやかな祈りの映画だと思う。

リーとパトリックのぎこちないキャッチボール。船の上で並んで釣り糸を垂らす二人。傷は癒えないかもしれないが、癒えるかもしれない。ゆっくりと待ってみるのも一つの手だ。

過去の出来事の断片が頻繁に挿入される前半と、その過去がそれぞれにどれだけ暗い影を落としているか、傷口の回復の経過を明らかにしていく後半。アカデミー賞も納得の見事な脚本である。

ただケネス・ロナーガンの演出は、よく言えば愚直、悪く言えば平坦で、頻繁に流されるバロック音楽も荘厳なムードを作るだけに留まっており、ロナーガンは脚本に徹したほうがいいのかもしれないと感じた。
m

mの感想・評価

4.4
脚本うますぎ。
過去と現在織り交ぜながらもぐだぐたにならずお見事。過去と現在のリーの表情!同一とは思えないほど。

写真立ての演出もよかった。
エンドロール中、種明かしがあるなんて無粋なことするだろうかと思いながら期待もしたりして。

ただ音楽が好みでなくて残念。
ところどころ鼻についた。
目立たなくて全然いいんだけど、せっかくのシーンが音楽だけ耳についてもったいないなあと思った。
こんな映画を探してた。
ケイシーアフレックの声最高。
丁寧な映画だけど、少し長かった。
あと、長男がヤリチンすぎて嫉妬。
混

混の感想・評価

4.2
記録
doraco

doracoの感想・評価

4.3
2017.08.17
キネカ大森

泣いてもがいて、だけど乗り越えられなくてもいいんだって思えた。
無理なものは無理なんだし。
それでも、いまの自分に出来る限りの力で考え抜いたリーに、少しでも安らぎが訪れることを祈りたい。

いつか雪が溶けて、春が訪れますように。
気になっていたが見逃していた作品。

無愛想で人との関わりを避けているリー(ケイシー・アフレック)が兄の死をきっかけに久しぶりに故郷マンチェスター・バイ・ザ・シーに戻る。

甥のパトリックの後見人に指名された事に戸惑うが、徐々に変化が…。

戻りたくなかった故郷での過去とは?

それが明らかになった時に胸が潰れそうになった。

簡単に立ち直る事はできない。でも父を亡くしたパトリックの生命力に溢れた姿、また勿論悲しみも抱えた姿に少しずつ癒されていく。

最後のリーの選択は、彼にとっての再生への大きい一歩。雪が徐々に解けていくように、ゆっくりでいいから光がある方向に向かってほしい。
yuta

yutaの感想・評価

3.4
甥っ子の性欲とモテモテっぷりがすごい。
すっかり見てから時がたってしまったのですが…見ている間、とてもとても悲しかったことだけをすごく覚えている。主人公の過去に対する向き合い方や満たされなさが自分の肌をつたって染込んでくるようだった。

自分にとって、人生における“大事な人”カテゴリに括られる存在は、片手で余るぐらいだ。だからこそゲームの駒のように簡単に入れ替えたりなんてできない。誰も代わりにはなれない。
それを踏まえた上で、家族という単位で幸せを考えるならば、この映画の導き方はけっこう斬新なんじゃないかなー、と。すきでした、とても。
Sachi

Sachiの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

泣いて過去のことを詫びつつも前に進める妻と大丈夫だと言いながらも自分が犯した罪から逃れられない夫。
彼がいつか未来に向けての一歩を踏み出してくれたらと思う。
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