ハマー

マンチェスター・バイ・ザ・シーのハマーのレビュー・感想・評価

4.0
『本作を一言で表すと『人の気も知らないで…』という言葉がピッタリな作品。

Manchester by the sea…
…in the smile...
…again…
…Congrats…』


とりあえず、見出し内容は綺麗に書きました( ̄▽ ̄)
また英語の文法はテキトーですw(気持ち先行w)

ずっと観たいと思ってたけど、中々観れず…フォロワーさんの中でも高評価だったこともあり、やっとこさ重い腰を上げて鑑賞しました。
字幕1回、吹替1回、解説1回。
吹替の方が主人公がまだ優しい声なのと、
字幕でのヘビーな表現が緩和された台詞が幾つかありました。
重苦しい会話が苦手な方には、吹替が良いのではと思います。
自分は当然重さが伝わる字幕派ですw( ̄▽ ̄)

第89回アカデミー賞 主演男優賞 脚本賞 受賞。
主演男優賞は文句無し。
(今回の感想書く内容からしても最高。)
脚本賞は……あと一歩って感じでした。

ストーリーは良かったですよ。
キャッチコピーも、珍しくドンピシャ感を感じられました。
基本的には暗い話なんだけど、そこについて
「現実味があって良かった」とか、
そういう感動的な感想は他の方にお任せします。
(概ね、言いたい事は一緒なので僕が特別書く理由は無い。&書くと長くなるw)

今回は他の人が書かなさそうな感想を書きたいと思ってます。
批判的な感想というより、人間的にサイテーな感想の予定。
(黒ハマー降臨( ̄▽ ̄)w)
故に感動的な感想を見たければ、他の方のレビューへ行ってらっしゃい。
僕のフォロワーさんには素晴らしい感想を書き連ねる方々がいらっしゃりますので、そちらから見に行かれるのも良いと思います( ̄▽ ̄)
これ以降、ネタバレあり。










せっかく見出しにもしたので、感動的な感想を一言だけ書かせて下さいw

「あのマンチェスターの海で、リーが再び…『笑顔』になれたことを…心からおめでとうと言いたい。」

あの事件後、リーが笑顔になれたのは、あの船のシーンだけです。
見逃した方は要チェック。
この映画は上映時間長い。だからこそ僅か一回しか見せない笑顔というのは、
とても貴重であり、僅かではあるけれども、戒めに解放されたリーがそこに生きてました。


では…
正直、私が一番書きたい本音は……意外や意外…『爆笑させてくれた』シーンですww
まさか『爆笑』シーンがあるとは思わなかったが故なのかもしれませんが…
間違いなく映画館で見ていたら、悲しむシーンで一人爆笑して場内の空気を最悪にしていたことを考えると、映画館で観なくて良かったと思いますww(^▽^;)

今回書く感想は、不謹慎だと思われる部分があると予想してますのでご注意下さい。
(僕の考え方や人格が異常だと取れる可能性が多大にあります。)


とりあえず、全体の構成から。
この映画は『主人公以外そこそこ幸せ』な構図がある。

主要人物から焦点を当てていくと、
パトリック イケイケの二股セックス大好き野郎。
ランディー も心の傷はあるものの新しい夫と結婚して子供まで授かった。
エリーズ プロテスタント の旦那と再婚。
と…主人公のリー 以外は何だかんだいうて幸せなものが存在する。
リーには、幸せになるチャンスが冒頭早々で3回も出てくる。
(正直出来すぎているw 大変羨ましい限りだww( ̄▽ ̄))
しかし…それを全て蹴っている…
『幸せになる事は許されない』という
リー自身の『自戒的行動』だと思いました。
この自戒的行動をしている主人公が、
取り返しのつかない参事を起こしてしまった町…
そこそこ幸せな知り合いががいる町…
マンチェスターに行かなきゃならないんですよ‼︎w
まだ、ここまでならいい…
問題は、病院行ったら医者のベセニー 先生が双子による産休というww( ̄▽ ̄)
(まさかの幸せ要素ぶっ込みw)
監督は、不幸な人間と幸せな人間が同時並行することを[ちゃんとしっかり描く]ことを大切にしていると感じたのと同時に、
不幸↔︎幸せが簡単に逆転するようには見えないことも感じ、
『この監督容赦ねぇ〜な。ww』
とつくづく思いました( ̄▽ ̄)w


且つ、もう一つの要素が、
『人の気も知らないで…』という登場人物全てが、自己中的な考えを一度は宿している事。

幸せ絶頂の時の主人公「風邪を引いてるランディに無理矢理キス。そして抱きつく。」
ジョー 「後見人はリー、お前に頼んだわ(しれっと)」
パトリック 「船も友達も彼女も手放したくない。そしてセックスがしたい‼︎」
ランディ「妊娠してる。旦那も一緒に葬儀に行くから。」
エリーズ「パトリック、あなたを迎え入れたい」
と、これでもかとありましたw
そんな中、自戒している人間リーだけが、『幸せの主張』(幸せ要素+自己中的要素)を行わず、
周りの人間だけが『幸せの主張』を滞りなくするもんだから、
リーとしちゃ〜溜まったもんじゃない展開が多い!!ww

以上の解釈をもってして、あるシーンで爆笑してしまったのが、
『葬儀に来たランディ夫婦』と
『二人きりになった時のランディの追い討ち台詞』
であるwww

この二つは元妻からの古傷こじ開けラッシュが容赦無し‼︎w
久々に
『もー止めたげてよぉ‼︎ リーのライフはとっくにゼロよ‼︎』
と、リーの心がフルボッコされるのに同情せざるを得ない…orz…w


まず、葬儀の時のリーの立ち方ww
すげぇ嫌々そうなポーズで立って、既に面白いw(駄々こねた挙句に駄々こねるのを諦めらめ、開き直った様な態度ww)

で、そこに現る元妻+今旦那だw
(全く関係ないけど、この時の元妻の髪型が、短髪の金髪で整ってて超綺麗でめちゃ素敵でした。画像の女の人。)
そこからのリーの目線が元旦那しか見てないことに注目‼︎ww
『この男が妻を…妻を……こんな男が妻を寝取りやがったんか、コイツ…ふざけんなよ…』
みたいな言葉が目つきで‼︎
目つきで伝わる伝わるww
(よくお得意の右ストレートが出なかったのもだw( ̄▽ ̄))

で、そこからのランディとのハグ…
リーの目線が、ランディとは逆の方向に目を逸らすというww
嫌々感たっぷりの目線ww

そのハグが決め手となったのか、リーは、魂が抜けたように軽く下を向くww
(その後の#ジョージ の背中ポン、フォローが何気に効いてくるw)
ランディが元妻から他の妻になった瞬間を、むざむざ‼︎葬儀の日に‼︎身体に教え込まれる気分は相当なダメージと現実をつけられたであろう…ww
『どこまでリーに傷をつければ気がすむんだ、コイツらはw』って感じで爆笑も爆笑でしたw


もう一つは、
『二人きりになった時のランディの追い討ち台詞』

ランディのリーを責めるレベルは、神レベルですww( ̄▽ ̄)
この時のランディは、殆ど立ち直ってるから当時の心境を何の躊躇もなく‼︎容赦無しに‼︎全て『言葉』で突き付けてくるのだ‼︎www
この作品を観てると、監督は口での説明が余計だと思う所は、ちゃんと無言になってます。
寧ろ、無言の使い方は上手いと思う。

しかし……敢えてだ、敢えてランディが全て曝け出して喋り出すのは、最早『わざとやってるだろ。この監督( ̄▽ ̄)wwわざとリーに傷を与えてるだろww』
としか思えないわけですw

1回目のランチのお誘いはまだ分かる……
しかし、ランディの自責の念から生まれる言葉に一番傷付くのは、リーだww( ̄▽ ̄)
(「最後まで聞いて」というリーに逃げ道を与えない台詞まで出てくるw)

そして、自責を言い続けた結果…
ランディ「I love you」(愛してる)だwww
この時のリーに注目‼︎
「はぁ…」とため息が漏れるww( ̄▽ ̄)
この時のリーの心境は間違いなく、『今言うなよ…今更言うなよ…』だww
しかし、ランディは本気で泣いて訴えて来ている…
悪気が無いから更にタチが悪いww
全ての原因のリーは、ただただ全てを受けきるしかないww

『手遅れね…』って言うのも『愛してる』からの近距離感から一気に突き放す方向に行くという鬼のような仕打ちww

極め付けは、
リー「もう行くよ…」(既にボロボロ…)
ランディ「…ランチは?」

『ランチ!? lunch?!ww
こんだけボロボロなのに、まだ会おうとするかこの女はww
ランチ行くとか言い出したら、
絶対ランチする毎に、ランディは泣き出して自責の念からいつもの言葉が出てくるに決まってるやんww
そんなんリーにとっちゃ〜ランチ行くだけで…地獄やんww』
と…( ̄▽ ̄)
その後のリーは上手く、その場を抜け出そうと軽い相槌をしだすが、中々抜けれないww
ランディは相変わらず、自責の台詞を言い続けるww
ランディ「あなたを見てたらつい言いたくて」
『言いたくてww  ̄▽ ̄) グイグイくるね〜ww 』
まるで、リーを無理矢理泣かせようと必死なイジメっ子のようでもあるww
もぉこの一連の流れが、もう笑ってはいけないの流れになっているのだが、笑いを堪えるのが耐えられない…ww
(これって、ガキ使の笑ってはいけないシリーズだっけ?ぐらいな気分でしたw)

一応念の為、仰いますが、
ここは泣ける名シーンですよww
(多分僕くらいです。爆笑してるのw)
ランディ役のミシェルウィリアムズ は、感情が篭った泣き方が大変上手で、観客も涙を誘われるであろうくらいの名シーンです。

以上がとても書きたかった個人的爆笑ポイントでしたww( ̄▽ ̄)

まぁ、このリーが散々ボッコボコにされるのは、生きているから(=罰を受け止める。)とも取れます。

リーは死ねない…罰も与えてくれない…
自身の愚かな行為に対して、誰でもいいから『罰して欲しかった。』
リーは気づかないと思うが、観客側から見ると、リーには罰が発生してる。
その発生している現象は、
『罰しないことにより罰が発生している。』(=単純に生き続けること。この環境で。)
と取れます。
ただ『生きる』ことによる『罰』の発生。
というのが個人的に、グッと来てます。

後、何気にカメオで監督が出てたのが面白かったですw(最後のカットは要らなかったけどw)
ハマー

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