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めぐりあう日のNOBUのレビュー・感想・評価

めぐりあう日(2015年製作の映画)
4.0
「冬の小鳥」から6年、ウニー・ルコント監督の半生を題材に描き出されたある女性エルザの物語。
実母を探すエルザの葛藤や苦悩を台詞からではなく映像で見事に語らせている。そして彼女が理学療法士として働く医療所にある年配を迎える女性が患者として来る事になるが、その二人は徐々に言葉で表せない何か感じるものをお互いに通わせていく。その映像表現は卓越しておりこの作品の最も優れた場面ではないだろうか。
観客はもうそれで答えが判るのだが。

映像を「語るな!見せよ!」とはこれではないだろうか?

ただ、ストーリーはかなり平坦で後半の葛藤からクライマックスはやや盛り上がりを見せるものの、ストーリーの解決方法がやや突発的で、もう少しドラマチックにして欲しかった気持ちが個人的には強い。

ドラマ性に欠けるぶん、役者陣と映像の語りが素晴らしく、人生の問いと同時に映画の持つ魅力を改めて感じさせられた力作に思う。
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