け

淵に立つのけのレビュー・感想・評価

淵に立つ(2016年製作の映画)
2.9
まるで、潔癖の白、と言わんばかりの色の使い方だったけど、
白が象徴しているのは正しさや清さではなくて、
正しさや清さを強制する圧力や抑圧そのもののように感じた。
それは、八坂の"徹底的に約束を守るよう教えられて育った"過去にも通ずるし、同じようにタカシも、厳格な母に抑圧されて育っていて。
2人に通ずるのは、正しそうで、いい人そうで、一見信頼に値する人で、アキエさんもすぐにその存在を受け入れている、けど、素直な感情は全く見えない。
だけどそんな八坂の、感情が見えないが丁寧で配慮のあるコミュニケーションに、心が傾くくらい、アキエさんは旦那からの明確でわかりやすい愛情に飢えてたんだろうなとも思った。
全員が不気味に描かれているけど、全員がその辺に転がってるリアルのように感じた。人間の愚かさを見せつけられた感覚。
け