Mizuki

最後の追跡のMizukiのレビュー・感想・評価

最後の追跡(2016年製作の映画)
4.0
【良かったところ】
・西部劇らしさ。
・現代アメリカの現実。
・役者たちの息遣い。

【悪かったところ】
・なし。
・なし。
・なし。

劇中ずっと西部劇を観ている気分だった
現代版西部劇とはこの事だと身をもって感じた

誰もがイメージするアメリカの
華々しいきらびやかな世界は都会の
ほんの一部であって現代アメリカの現実は
こっちなんだろうなと思い少し心が痛かった

主役が自分の息子に対して言う
''俺のようになるな''っといったセリフ
本当に心に響く言葉だった

別のシーンでも捜査官がお店で
食事をしようとしたらお店のおばさんが
注文を取りに来たかと思ったら唐突に
''なにがいらない?''
と聞くシーンがあるが最初は
わけがわからなかったが
これは選択肢を持っていないという
メッセージとも取れる気がする

主役が息子に対して放ったセリフも
''選択できる人生を送れ''という意味にとれる

そして、そのために父親として
あの土地を譲り''遺伝する病気''に
終止符を打ったのだと思う

そんな素晴らしい作品を成立させたのは
やはり役者たちの素晴らしい''演技''というより
素晴らしい''息遣い''だったとボクは感じた

会話シーンも味わい深くて素晴らしかったし
音楽はオープニングから神がかっていたが
それらよりもこの作品でよかった点は
セリフのないシーンだったと思う

登場人物たちの息遣いや環境音だけで
ここまで様々なものを訴えかけてくる作品は
なかなかお目にかかれないので観て良かった

ボクは飽き性なので間が長かったり
静かな作風のものは寝てしまう癖があるが
この作品の静けさは興味深く見入ってしまう
なにかがあったと思う

本当に素晴らしい映画体験だった
Mizuki

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