ハギマニア諸島

ブレードランナー 2049のハギマニア諸島のレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.9
35年ぶりの続編、観てきました。
それはとてつもなく愛しく、哀しい作品でした。

前作のデッカードとレイチェルが紡いだ未来を生きる、今作はあくまでジョーの物語。鑑賞前には全く想像していない思いも寄らない方向へストーリーが流れていく為、衝撃の連続。

冒頭、一番最初のシーンから鳥肌モノ。
35年でどれほど技術が進歩したのか、というものをまざまざと見せつけられた感覚になった。そこにドゥニ監督とハンスジマーさんの劇伴が融合して恐ろしい程風光明媚な画の連続でした。

1作目ブレードランナーの雰囲気を踏襲しつつ、更にレプリカントの深部へと潜り込んでいくストーリー。ドンパチ派手なアクションシーンもなく、本当に静かに淡々と話は進んでいくが、163分全く飽きることなくラストへと進んでいった。

前作は全編雨で貫いた世界観を、今作は雨から雪へとシフト。その冷たい映像は、主人公ジョーの哀しき内面を映しているようで余計に胸が締め付けられた。


「人間より人間らしく」
このフレーズが今作の真髄のような気がする。新しいものを生み続け古いものを塵に帰し続け心を喪っていく人間と、創られた命の中で想像を超えた奇跡を起こし抗い続けるレプリカント。どちらが人間らしいのか。(てか作中の人物が人間かレプリカントか本当にわからなくなる。笑)


てか後半の怒涛の展開が本当に凄い…。ひとつひとつの映像、セリフ、音楽、全てが歴史に残る程圧巻過ぎる。前作ファンには堪らないであろう類稀に見る哀しき衝撃シーン。物語の終盤に語られる真実に、今も胸が締め付けられております……

あああ〜切ねぇぇぇぇぇえええええええええええ!!!!!!!!