hatsune

わたしは、ダニエル・ブレイクのhatsuneのレビュー・感想・評価

4.7
ジャケットから何となく心温まるおじいちゃんストーリーかと思っていたら人権問題に鋭く切れ込むもはや"怒り"ともとれる話だった。

心臓が悪く働くことを止められている為、(生活保護のような)支援手当の受給を申請するおじいさんダニエルと、シングルマザーで本当にカツカツながら二人の子供を育てるケイティ。

ダニエルは血も涙もないような役所の冷たいマニュアル対応に最初は憤慨しつつ、徐々に則って申請を頑張るもうまくいかず…
そんな中ケイティの配給所での一件もあり本当に胸が痛い。
これでもかというくらい配給所職員と役所職員のコントラストも凄くて。笑
口悪く言ってしまえば"社会的弱者が助け合う"話な訳だけど、地位や名誉、環境の前に誰もが一個人であると。個人の尊厳があるでしょと。それは誰にも侵害できないし踏みにじることはできないでしょ!という心の叫び…
それこそがまさにタイトルの「I, Daniel Blake」。

ただ超難しいと思うのが、別に役所は何も間違ってはないんだよね。直接市民に触れ合うから悪者仕立てに感じるけど実際はそうじゃない。
仕事しろ!とか言われるけど超してる。
問題はもっと上のもっと大きい所にあるよね…
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